★あさぎり通信vol.14 飲食費の税務判断

おはようございます。税理士の藤田です。
本日のテーマは、「飲食費の税務判断」です。

■概要

法人が支出する飲食費は、主に次の費用に分類されます。

・会議費 ・福利厚生費(一部給与)・一人5,000円以下の接待飲食費

・一般の接待飲食費

何が問題になるかというと、会議費・福利厚生費ならば全額経費となり
ますが、給与・交際費になると経費にならない場合があります。
なので、これらの区分をめぐって税務署とのトラブルになりやすいので
気を付けましょう。

なお、接待飲食費のうち、5,000円以下の接待飲食費が分けてあるのは、
一人5,000円以下であれば、一定の要件で全額経費にできるからです。
■内容

1.会議に伴う飲食費
 通常要する費用と認められるものは、会議費になります。
税法上の基準はありません。会議の参加者、内容によって、会議費に
なるか交際費になるか判断が必要です。
一般に一人3,000円~5,000円の基準があるようですが、一人1万円にな
ったとしても理由があれば、交際費でなく会議費で判断できます。

・会議後の宴会などは、交際費に該当します。
・昼食時にビール1本程度なら会議費に該当する可能性もあります。
(基本、お酒が入るとNG→交際費となります。)

2.福利厚生に伴う飲食費
専ら社員の為に行われる飲食代が該当します。
全社員を対象とした忘年会で通常必要とするものは、福利厚生費にな
ります。ホテルなどで高額であっても問題ありません。

ただし、特定の社員だけの場合には、交際費または現物給与に該当す
ることもあります。役員の場合には、役員賞与となり税務上の経費に
できなくなることもあります。

・役員が親子だけの場合の食事代は、役員賞与となる可能性大です。
・総務課と役員のみの飲食代は、交際費に該当します。
(人数の多い会社などで、複数回にわけて行うのは福利厚生費です。)

3.1人当たり5,000円以下の飲食費
交際費のうち、一人当たり5,000円以下の飲食代は、交際費に該当しま
せん。
ポイントは、社外の人を接待する事ですが、逆に社外の人が一人でも
入っていればOKです。

・一次会、二次会の支出がある場合には、店ごとに判断します。
・一定の事項を記載した書類の保管が必要です。
(相手方の氏名、参加者の人数など)
・社内交際費は、対象外です。
・ゴルフでの飲食代は対象外です。
・カラオケ店でも一人5,000円以下であれば全額経費にできます。

  4.交際費の飲食費
上記以外の飲食費で事業の関係者に接待、慰安等のために支出する費
用です。

税務上の交際費については、限度額があります。中小企業であれば、80
0万円までは、全額経費になります。(時限立法)

・得意先に提供した弁当代、お土産は、交際費に該当しますが5,000円以
下の飲食費には含まれません。

5.その他飲食費
・説明会等で提供する弁当代など
交際費には該当しません。→会議費

・セミナーなどで提供する昼食時の弁当代
社内で一律に提供する弁当代は、交際費に該当しません。→福利厚生費

・来訪者に提供する昼食時の弁当代
昼食時に通常供される弁当代は、交際費に該当しません。→会議費

■編集後記

飲食費が、税務上の経費になるか、交際費になるか、給与になるかは
内容によって変わります。税務上の判断が有利になるように支出しまし
ょう。

なお、今回は、法人についての話なので、個人事業主が支出する交際
費については、税務上、経費にできる交際費の限度額はありません。
その他、会議費、福利厚生費等の考え方は同じです。