★あさぎり通信vol.25 様々な譲渡所得について

 あさぎり会計事務所の税理士の藤田です

確定申告の時期が近づいてきました。

今回は、知っておきたい確定申告の譲渡所得についての話です。

 

概要

譲渡を行った場合、誰が何を譲渡したかによって申告の仕方が変わります。

様々な譲渡の事例を下記にまとめてみました。

該当する方は少ないかと思いますが、該当しない方も、

所得税は複雑だな、と知って頂ければと思います。

 

具体例

<不動産の場合>(個人事業者を含む全ての人)
事業用、居住用関係なく分離課税の譲渡所得として申告が必要です。

不動産の譲渡の場合には、様々な特別控除や、税額控除等の制度があり複雑です。

※ただし不動産事業者の商品は除く

 

<生活用動産の場合>(全ての個人)

生活用の動産を譲渡した場合には、利益がでていても申告する必要はありません。

車の売買(下取りを含む)をした場合、人気車でプレミアムが付き儲かったとしても申告は不要です。(ただし、個人事業として事業用の車として使用している場合には、総合譲渡所得として申告が必要です。)

衣類など家庭用品をヤフー等のネットオークションなどで売買をし、儲かったとしても申告は不要です。(ただし、売買による利益を目的として、購入した商品を家庭用として使用せず、売買を行い継続的に儲けている場合には事業所得又は雑所得として申告が必要です。)

生活用動産の譲渡は申告する必要がないと記載しましたが、例外として貴金属、宝石などで1個が30万円を超えるものは申告が必要です。

 

<個人事業主が棚卸資産を譲渡した場合>

個人事業主が、棚卸資産を譲渡した場合には、事業所得として申告が必要です。

 

<個人事業主が事業用資産を譲渡した場合>

個人事業主が、事業用資産を譲渡した場合には、事業所得でなく総合譲渡所得で申告することになります。法人成り等をした場合などは、申告が漏れやすいので注意が必要です。

 

<株式の譲渡の場合>(個人事業者も含む全ての人)

株式の譲渡所得は、分離課税として申告が必要です。特定口座を利用している場合には、申告不要制度があります。特定口座の場合、確定申告したほうが良いかどうかは、ケースバイケースで判断が難しいです。

 

<国債の売買について>(個人事業者も含む全ての人)

償還前に国債を売買した場合における売却益は、平成27年までは、非課税でした。平成28年以降は、上場株式等と同様の取扱いになります。

 

<金の売買>

金の売買は、総合譲渡所得として申告が必要です。また、取引が200万円超の場合には、売買の取引が税務署に報告されるので、気を付ける必要があります。

※不動産の売買、金の売買は、売却損の場合は納税する税金がない為、申告が不要ですが、申告をしていないと税務署から売買についてのお尋ねがくることが多いので、売却損の場合も一応確定申告されることをお薦めします。

 

編集後記

 確定申告の制度は、複雑で譲渡一つをとってみても、いろいろな申告の仕方があります。

特に不動産の譲渡の場合には、金額も大きくなり、又特例等は申告が要件になっていることも多いので、税理士又は税務署に相談する事をお勧めします。