★あさぎり通信vol.70 残価設定のローンとリースの違い

あさぎり会計事務所の税理士の藤田です。

台風19号の被害に遭われた方々には、心よりお見舞い申し上げます。

また、一日でも早い復旧をお祈りいたします。

去年は、広島も大雨により甚大な被害を受けました。

毎年どこかが災害に見舞われています。

日頃から災害に備えておく必要性を強く感じます。

生活地域の避難ルート、避難場所の確認等は必ず行っておくべきですね。

制 度 の 概 要

今回のテーマは、車を購入する際の残価設定のローンとリースについてです。

お客様からも購入とリースはどちらが良いのか等よく質問があるので、

残価設定のローンとリースについてその違いをや特徴などをまとめてみました。

残価設定のローンやリースは、どちらも一定期間終了時の残価を定めて、

取得価額と残価との差額を毎月定額で支払う方法です。

両方とも同じような支払いなので、経理処理も同じだと思われるかもしれません。

しかし実は、ローンかリースで経理処理は、大きく異なります。

どちらも毎月支払う金額に関係なく減価償却により処理しますが、下記の様に取扱いが異なります。

残価設定ローンの場合

・取得価額   残価設定を含んだ取得価額になります。

つまり総額

・減価償却方法 法人の場合は定率法(個人の場合は定額法)

・消費税控除額 残価設定を含んだ取得価額に係る消費税を控除します。

つまり総額に係る消費税額を控除できます。

残価設定リースの場合

・取得価額   残価設定を含まない取得価額になります。

・減価償却方法 リース期間定額法

・消費税控除額  残価設定を含まない取得価額に係る消費税を控除します。

具体例

分かりやすく法人が車を下記の条件で購入した場合のローンとリースの違いについての例

購入価額   550万円(税込)

残価設定金額 220万円

支払期間   5年 耐用年数 6年

ローンの場合   リースの場合

取得価額(税込)       550万円   330万円

減価償却費

1年目         183万     66万円

2年目         122万     66万円

3年目         81万円     66万円

4年目         54万円     66万円

5年目         54万円     66万円

6年目         54万円

ローンとリースでは、減価償却費が大きく異なります。

初年度の消費税控除額     50万円    30万円

期間終了時の処理

期間終了時に(5年)に残価の220万円で売価した場合

ローンの場合  売却益 164万円

220万円で残価を支払う場合には、売却でないので売却益の発生はありません。

リースの場合  売却益   0円

上記の具体例のようにローンとリースでは、経理処理が大きく異なります。

車の購入で初年度に節税をしたい方は、リースではなくローンの方が減価償却費が多いので良いと思います。

編 集 後 記

今回の話はどうでしたか?

残価設定のローンとリースの経理処理が大きく違うことについて、

税理士が詳しく説明をしているケースが少ないのではないでしょうか。

気になることがあれば、積極的に顧問税理士に相談して下さい。

また、あさぎり会計では、初回無料相談を行っていますので、お気軽にご相談ください。