★あさぎり通信VOL.130 高級腕時計の売買 

あさぎり会計事務所の税理士の山根です。

先週、子供の運動会を見に行きました。

今年は、人数制限も無しに観戦する事が出来ました。

GW後にコロナの新規感染者が増えていますが、コロナはもう収束した感じがしているのは

私だけでしょうか?(異論がある人はスイマセン!)

最近は知り合いがコロナになってもあまり驚かなくなったし、風邪をひいた位の感覚になりました。

勿論、今後も、ワクチンはきちんと接種し、マスク着用は必要だと思います。

しかし、経済回復の為や運動会や修学旅行など多感な年頃の子供達の成長の為にも、

あまり敏感にならなくていいのではないでしょうか?

又、私の周りでもボチボチ海外に行く人も出てきましたし、私も秋には海外旅行を予定しています。

公的な収束宣言を期待しています。

さて、本日のテ-マですが、高級腕時計の再販(横流し)の税務です。

後から税務署に指摘されないように気を付けましょう。

高級腕時計の売買

● 概 要

現状、コロナの自粛等で旅行等が出来なくなったお金やコロナ融資などで

ダブついたお金が株や物などに流れている傾向が続いています。

需要と供給のバランスですが、高級腕時計や車や船などが新品不足の為、

中古価格が爆上がりしています。

因みに、私も一時期ロレックスを買おうと毎日福屋に通っていた時期がありました。

しかし、いつ入荷するかも分からないし、何より店員が塩対応なので最近は行ってないですが・・

結局、買う事は出来なかったです!

因みにロレックスなど時計によっては中古価格が定価の3~4倍するものあります。

では、税務上、売却して利益が出た場合にはどのよう取扱いになるのか見ていきましょう。

税 務 務 上 の 取 扱 い

1.個人が売買した場合

原則、売却して利益が出ても税金の申告は不要です。

所得税法では、「生活用動産」の売買は税金の対象外となっています。

ただし、貴金属や宝石などで、1個または1組の価額が30万円を超えるものは

税金の対象となっています。

尚、税金の対象となった場合には、総合譲渡所得(注)として

給与などと合算して課税されます。

(注)総合譲渡所得の計算法

(1)短期譲渡(所有期間5年以下)

売却金額-購入金額-売却費用-50万円(特別控除)

(2)長期譲渡(所有期間5年超)

(売却金額-購入金額-売却費用-50万円)×1/2
ここで問題になるのが「生活用動産」と「貴金属や宝石」に該当するか否かです。

ここからは私見ですが、

まず、「生活用動産」の概念ですが、購入して1年位は持っていないと

再販と見られるのではないでしょうか?

つまり「生活用動産」には該当しない為、申告が必要だと思います。

次に「貴金属や宝石」の概念ですが、金やプラチナやダイヤモンドなどが入った時計は

「貴金属や宝石」に該当し申告が必要だと思います。

尚、継続的に売買を繰り返している場合には、事業として「雑所得」や

「事業所得」になるので上記50万円の特別控除の適用はありません。

「継続的」という概念も抽象的ですが、1年に数回売買があれば金額等にもよりますが

「継続的」と判断されると思います。

2.法人が売買した場合

法人が売買した場合には、「生活用」などの概念は一切ないので

利益に対して法人税等がかかります。

ただし、法人の申告は、本業も含めた全所得(利益)での合算です。

編 集 後 記

今回の話はどうでしたか?

当面、再販目的で売買している人や業者が多い為、中古価格は下がりそうもありません。

また、どうせ分からないとか、バレないと思ってい方もいると思いますが、

税務署は、買取業者に行けば売買記録から簡単に情報を入手する事が出来ます。

身元の分からない人からは買取業者は購入しないからです。

まあ悪質な人や業者は、買取業者に売る時に名義を借りるんだとは思いますが・・・・・

一昔前に仮装通貨の無申告者の一斉調査がありましたが、今後は高級腕時計などの売買を

繰り返している人の調査も増えるかもしれません。

投機目的の購入は止めましょうね。